メーカー系のSEに興味があるあなた!
SEが働くSIerの業界って、いくつかの種類に分かれていて非常に分かりづらいですよね。そんな分かりづらいSIerの世界を、簡単に説明すると、メーカー系、ユーザ系、独立系に分かれています。
その中でも、今回はメーカー系に注目してみたいと思います。
そしてメーカー系はどんな会社かというと…
「実はメーカー系のSIerは平均年収が一番高いのです!」
事実、メーカー系SIerって大手企業が多く、業績も年収も非常に安定しています。そして元受け企業のため、年収も非常に高いのです。
う~ん、何だが良いことづくめの会社ですね。
ということで、今回はそんなメーカー系のSIerについて紹介いたします。
目次
メーカー系SIerといえば大手製造業
メーカー系SIerとは一言で言うと「電機系の大手メーカーの子会社や関連会社」です。
電機系の大手メーカーとは日立、富士通、NEC、三菱、IBMなどです。う~ん、有名どころばかりですね。これらのメーカーは多くの子会社や関連会社があり、その会社すべてがメーカー系SIerと呼ばれます。
メーカー系SIerは、自社のサーバーやコンピュータといったハードウェアとともに、そこで動くソフトウェアを1社で提供するのが一般的です。例えば、富士通系列の会社であれば、富士通のサーバーとともにソフトウェアを販売するといったイメージです。
またメーカー系は、行政に関わるシステムを作ったり、防災系や医療系のように24時間365日動き続けるシステムを作ったりしております。株式や銀行のように安定してリアルタイムに動き続けるシステムを作ったりと、大規模だったり重要度が高いシステムを作ることもあるのが特徴です。
さらに国家規模のシステムになると、複数のメーカーが協力して取り組むこともあります。
自社のハードウェアを使ったシステムだけではなく、規模の大きさを活かしたシステム開発をしているのが、メーカー系SIerです。
逆に言うと、SI業界ってこのメーカー系に牛耳られているようなものとも言えますね。
メーカー系SIerの強みは?
メーカー系SIerとは何か分かったところで、メーカー系の強みや弱みも押さえておきましょう。
それでは何が強み化と言うと、
「メーカー系SIerの強みは安定して仕事があることです」
また、待遇の良さや、安定した収入が得られる点もメーカー系の強みとなります。
メーカー系は会社が大きいので、色々な仕事が常にあります。更に子会社や関連会社は、その会社自体の規模が小さくても、親会社は大きいので常に親会社から仕事の依頼を貰えます。
また、会社によっては親会社と福利厚生が同じだったり、同じ関連会社同士で給与水準が同じだったりと、待遇面でも安定しているといえます。
ここだけの話、親会社の立場からすると子会社やグループ会社って単価が高いんですよね。それに加えて、社内では子会社やグループ会社を使うのが必須なので、メーカー系の子会社って儲かるように出来ております。
逆に言うと、親会社の方が儲からないんですよねw
メーカー系SIerの弱みは?
メーカー系SIerの強みは安定性だと紹介しました。それでは次にメーカー系Sierの弱みについても紹介します。
「メーカー系SIerの弱みは自社の技術に縛られることです」
メーカー系は自社のハードウェアとともにソフトウェアを提供することが多いため、ハードウェアの知識は自社のものに偏ります。また、会社ごとにソフトウェアの開発標準が決まっているため、自社でしか通用しない開発方法に縛られてしまいます。
なお、近年では先端技術を取り入れようとする会社も多いため、必ずしも自社のものに縛られているわけではありません。
それでも独立系に比べれば、まだまだ得られる技術は偏ってしまうと言えます。
実際にメーカー系のSEから言わせてもらうと、何でこんなソフトウェア作っているの?とか思うものがかなりあります。でも自社製品を使わざるを得ないので、しょうが無く使っている場合が多々あります。
こういう部分がメーカー系は辛いです。
メーカー系SEの年収は?
ここまでで、メーカー系Sierの特徴について紹介しました。この章では気になるメーカー系SEの年収について紹介します。
まあはっきり言って
「メーカー系の年収は平均でも600万越えとかなり良いです!」
平均で600万越えなので、相当もらっていますよね。中小企業の普通のSEが見たら、やっぱりメーカー系に入っておけば良かったなぁと言ってしまうレベルです。
ということで、メーカー系と呼ばれる各企業の平均年収を見てみましょう。
日立系の年収
まず日立系の年収です。
日立系は他のメーカー系よりも、総合的に少し年収が高いのが特徴です。
・日立製作所 868万円
・日立ソリューションズ 696万円
・日立システムズ 711万円
となります。私も結構日立さんとは関わるので色々と知っておりますが、大体こんなくらいもらっています。
大体この通りですね。
NEC系の年収
次はNEC系の年収です。
NEC系の年収って面白くて、本体と子会社で、結構差があります。
・NEC 833万円
・NECソリューションイノベータ 564万円
・NECシステムテクノロジー 682万円
となります。
子会社は親会社のNECよりも、大体150万円近く低いです。
この値も大体あっております。
私の先輩がNECの子会社であるNECソフトに就職したのですが、年収は大体600万円くらいとなります。ですので、NEC系は本当にこの通りです。
富士通系
次は富士通系の年収です。
富士通系も日立と似て、全体的に年収が高いです。
・富士通 810万円
・富士通マーケティング 731万円
・富士通フロンテック 718万円
と、グループ全体で高めなのが特徴です。
ただう~ん。フロンテックってこんなに年収高かったかな…というのが私の感想ですね。実際にはあと100万円くらい低い気がしますが。
後は富士通エフサスがかなり年収が高く、大体700万年くらいもらっています。あそこは結構良いですよね。単価がめっちゃ高いけど。
東芝系の年収
最後は今話題の東芝系の年収です。
東芝も日立や富士通と似て、どこも年収が良いのが特徴ですね。
・東芝 800万円
・東芝テック 742万円
・東芝ソリューション 806万円
となります。
私が知っている限り、東芝の子会社の平均年収は大体700前後なので、上記は概ねあっております。
上記だと東芝ソリューションが、親会社の年収を超えていますが、本当かどうか怪しいですね。流石に子会社の年収が親会社を抜くのは嘘っぽい気がします。
と、会社によってまちまちですが、親会社は平均800万円、子会社は600万円~700万円のところが多いです。
やっぱりメーカー系って良いですね!
メーカー系の年代別の年収ってどれくらい?
ここまで来ると、知りたいのがメーカー系の年代別のリアルな年収です。
一応メーカー系のSEである私が内緒でお伝えします。
まず20代で大体「350万~500万円」くらいもらえます。
そして30代で一般社員は「500万~800万円」はもらえるようになります。
早い人だと30代で課長になります。課長になると2年目から「年収が1000万円に跳ね上がる」ので、1000万プレーヤーが出てくるのが30代です。
40代だと、一般社員は大体「800万~1000万円」になります。
一般社員だとここらへんで頭打ちになる頃です。出世する人はガンガン出世して「部長で1200万円」くらいもらって、「統括部長で1400万円」くらいもらいます。
50代だと一般社員は大体「800万~1000万円」になります。
もうここまで来ると、40代と変わりません。そして出世する人は、事業部長などになって「年収は1600万円」くらいになります。
で、一般社員は60代まで働いて退職します。
管理職(課長以上)は55歳から、自分の子会社に天下りをしてそこで執行役員や社長をして定年まで過ごします。その時の年収も大体「1000万~1500万」くらいと聞きます。
自分で書いていてなんですが、やっぱりメーカー系って給料が良いですね。こりゃあみんなメーカー系SIerに入りたがるわけだ。
メーカー系SEランキング
次は、メーカー系のSEとして働くには、どこの企業が良いのかのランキングを見てみましょう。ただしこれは、
「2017年卒の新卒就職人気企業ランキング」
となります。
ですので、このランキングには給料や強みなどの個人の様々な観点が入っております。
簡単い言うと、就活生たちが企業研究した結果、ここで働きたいと思った企業のランキングとなるのです。そんな観点が含まれていることを頭に入れて、見ていただけると助かります。
それではどうぞ!
- 1位 NECソリューションイノベータ
- 2位 日立ソリューションズ
- 3位 富士通エフサス
- 4位 日立システムズ
- 5位 キャノンITソリューションズ
- 6位 富士通システムズ・イースト
- 7位 富士通マーケティング
- 8位 キャノンマーケティングジャパン
- 9位 京セラコミュニケーションシステム
- 10位 富士通ミッションクリティカルシステムズ
う~ん、なるほど!
メーカー系SEの私の感想からすると、今回は親会社は抜いているのでまあ妥当な感じだと思います。
まず1~5位はSIerの業界でも有名な会社ですので、こちらは納得です。
あと面白いのが、全体的に見て富士通グループが多いことですね。エフサスやミッションクリティカルシステムズは有名なので、こちらに入れば相当良い年収がもらえるので、この人気も納得かと思います。
ちなみに富士通ミッションクリティカルシステムズは、2017年に富士通本体と一緒になりましたので、今は存在しません。そういうこともあるんですよね。
このランキング、私から言わせてもらうと
「各メーカー系SIerの子会社の年収と知名度が重視されている」
気がしますねwどの会社も、年収と知名度は抜群ですからね。やっぱりなんだかんだ言って、年収と知名度は絶大なんですね。
メーカー系のSEは激務?
ここでは、メーカー系のSEの実態について紹介します。メーカー系のSEは激務だとよく聞くかもしれません。ですが、
「実際は関わるプロジェクトによって大きく変わります」
メーカー系のSEは小規模なプロジェクトから、大規模プロジェクトに関わります。大規模の例とすると、国の行政システムや、大手金融系のシステムなどです。
一般的にシステムの規模が大きいほどプロジェクトは大変になります。理由は単にやることがたくさんあるからだけではなく、関わっている人が多いので、意思疎通がうまくいかなくなるからです。
そうなってくると、プロジェクトが収束するのに時間がかかります。
期日が迫っているのに、スケジュール通り終わっていない。
じゃあどうしよう…ということで、残業が増えるのです。そのため、大規模プロジェクトほど、激務という認識が強くなっております。
ちなみに私も激務の経験があります。
私が昔客先常駐していた、ある〇〇プロジェクトは凄かったです。当初の予定がガンガン変更になり、プロジェクト内部の意思疎通がうまくいかなくなり、最終的には20億以上の赤字を出して、原価率300%超えとなっておりました。
当初50人規模だったのが、100人、150人と日に日に増えていきましたしね。結局私の会社でも超赤字&激務プロジェクトとして有名になりましたね。
あれは毎日2時帰りだったので、激務以外なんでも無かったですね…。あれは辛かった。
メーカー系でも社内SEはできる?
メーカー系のSEは、お客様向けのシステムを作るだけというイメージがありますよね。
ですので多くの人はメーカー系で社内SEは募集していないと思っています。ですが…、
「実はメーカー系にも社内SEはいます」
実際、メーカー系の社内SEは、勤務管理システムや、プロジェクト管理システムといった、SEが使うシステムの開発や保守を行っています。
更に良いことに、社内SEは社内システムを扱っているので、お客様向けのシステムを作っているSEよりは多少緩い部分もあります。そのため会社によっては比較的仕事がラクなこともあるようです。
ただ、メーカー系の社内SEはスタッフ扱いになることもあるため、他のSEに比べて給与などの待遇が低いです。
実際に私の会社の社内SEは80%が外部スタッフ扱いになっており、給料は相当低いです。大体20代で年収300万くらいですからね(うちの会社の20代は400万~500万)。
ですので社内SEを目指しているからといってメーカー系を除外する必要はありませんが、仕事内容や待遇については事前に確認しておくことをおすすめします。
実際にメーカー系の社内SEになったからと言って、年収300万円はザラですからね。見ていて可哀相なこともよくありますよ。
メーカー系のSEはこんな人がおすすめ
ここまででメーカー系Sierの特徴や仕事内容について紹介しました。最後に、メーカー系のSEはどんな人が向いているのかを紹介します。
メーカー系のSEは、
「安定した高収入が欲しい人には向いています!」
メーカー系って、結局元受けの仕事がメインです。ですので、プロジェクトの規模が大きいものが多く、その分入ってくる収入も多く、安定しております。
「実際に私は、30代で年収は700万を超えてかなり安定しております!」
更にはメーカー系のような大企業ではないと受注できないシステムも多くあります。そういったシステム開発に関わりたい人にもメーカー系SEがおすすめです。
ただその対価として、お客様の最前線に立つので辛いことも多いです。理不尽に怒られたり、意味不明な要求をされたり…と。色々と大変なことが多いです。
ですがやりがいというのもは凄くあります。
例えば私は「世界初」と呼ばれるシステムをいくつも手がけており、規模もそこそこのプロジェクトをいくつもこなしております。
ですので、そういう挑戦をしてみたい方にも、メーカー系SEはおすすめですね。
まとめ
いかがでしたでしょうか?今回はメーカー系SIerについて紹介しました。それでは最後にポイントをまとめます。
- メーカー系Sierとは電機系の大手メーカーの子会社や関連会社
- 強みは安定して仕事があり年収や福利厚生などの待遇がよいこと
- 弱みは得られる技術が自社のものに偏ること
- 年収は親会社は平均800万円、子会社は600万円~700万円程度
- 20代でも500万円で40代になれば大体1000万円は行く!
- メーカー別SEランキングは年収と知名度の順
- 激務か否かはプロジェクトによって大きく変わる
- メーカー系SIerでも社内SEはできる
- メーカー系のSEは安定した高収入を得たい人におすすめ
と、メーカー系SIerに務める私が色々と語らせていただきました。まあ、私が一言言うならば、
「年収ややりがいを求めるならばメーカー系SIerをおすすめします!」
勿論メーカー系SIerはリーダークラスを担当するし、本当に激務で辛いことは沢山あります。でもメーカー系SEじゃないとできないことも多いのは事実です。
ですので、もしあなたが年収ややりがいを求めるのでしたら、メーカー系SEをお勧めいたします。
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