「ユーザー系SIerって本当にホワイト?」
長時間残業や休日出勤が日常茶飯事なIT業界。そんな中ホワイト企業と言われるのが、ユーザー系SIerです。世間ではユーザー系SIerは残業も少なく、休日出勤もほとんどなく、かなり羨ましがられる企業です。
そんなユーザー系SIerですが、噂では年収はそこまで高く無いと聞きます。じゃあ実際はどうかと言うと、
「実はユーザー系SIerの年収は少し低いです!」
具体例で言うと、大体メーカー系よりも200万円くらい低いです。これを聞くと「えー!」っていう人がいますが、これ本当です。
ユーザー系SIerって、世間で言われているように確かにホワイトです。私が知る限り、残業は無いし、休日出勤も、夜間呼び出しもほぼありません。更にはメーカー系SEによくある納期の短縮などもほとんどない、本当にホワイトな企業なのです。
しかしその反面、そこまで給料は高く無いんですよね。
じゃあ一体ユーザー系SIerってどんな企業なんでしょうか?そんなあなたの疑問に、今回私が回答いたします。
目次
ユーザー系Sierとはユーザ企業の子会社
まずは初めは「ユーザ系SIerって何?」というところから説明させていただきます。
ユーザー系SIerって良く聞く言葉ですが、案外ちゃんと答えられる人って少ないんですよね。ちなみにユーザー系SIerとは、
「流通・金融・保険・電力企業のシステム子会社です」
一般的には各企業の情報システム部門が独立した子会社が、ユーザー系SIerと言われます。
そしてユーザー系SIerは、親会社の情報システムの開発や保守が主な仕事。実際には、親会社の業種に特化したシステムを開発するので、開発スキルだけではなく業種知識が必要です。
また、親会社以外のシステム開発はしないので、同じような開発が多いというのも特徴ですね。
このように親会社のシステム開発を専門に行うのが、ユーザー系SIerなのです。
私も転職して、その内容を知ったようなものです(遅いw)
具体的には、「A銀行」という銀行があったとします。そしてその銀行の子会社に「A銀行コンピューターシステムサービス」と言ったような名前の会社がいるとします。
これがユーザー系SIerとなります。
蛇足ですが、その会社のSEがユーザー系SEと呼ばれるのです。
そしてこのA銀行のシステム子会社(A銀行コンピューターシステムサービス)は、親会社のシステム開発や保守以外はしません。つまり、つまりA銀行のシステム開発や保守以外はしないし基本できないのです。
具体的には、勘定系で動くアプリケーションを作ったり、その他各サブシステムの保守などがメインとなります。
そしてユーザー系SIerは5年~7年くらいの周期で、同じようなシステム繰り返し更改します。案件を受けて、構築して、保守して、また数年後には更改してと、ずっと同じことをしております。これがユーザー系SIerなんです。
実際に見てみると分かるのですがユーザー系SIerの仕事って、毎回色んなシステムを作るメーカー系SEとは全然違うんですよね。
実際にメーカー系から転職してきた私は、その仕事内容の違いにびっくりしましたね。でも毎回同じシステムを作り続けるのってそんなに悪くないですよ。
ユーザー系Sierの強みは?
お次はユーザー系SIerの強みを押さえておきましょう。
まずユーザー系Sierの強みは、
「比較的残業が無い楽な仕事ができることです」
ユーザー系SIerって、とにかく残業が少ないです。
理由としてユーザー系SIerは、自社や親会社のシステム開発がメインの仕事だからです。基本的に親会社と子会社の関係なので、厳しい仕様要求や急な納期変更は少ないんですよね。
まあ親会社と子会社の関係があるので、結構甘めなんですよ(笑)。
そして担当するシステムの更改時期などもほとんど決まっているため、開発の予定がコロコロ変わることもなく、期日通りに業務に取り組めるのです。
このような背景があって、ユーザー系SIerはホワイトだといわれることが多いです。
他の強みとして、ずっと自社のシステム開発をしているので、
「親会社の業種知識を多く身に着けられます」
これって、ユーザー系SIerは親会社指定のシステムを作り続けるため、必然的に詳しくなっていくんですよ。
なので自分で担当した業務のスペシャリストになれるところも、ユーザー系SIerの強みです。実際にユーザー系SEの中には、親会社よりも詳しい人とかいますからね(笑)。
特に銀行系のユーザー系SIerの人は凄くて、数百あるアプリの仕組みを全部覚えていたりしますもん。そのレベルの人がゴロゴロいるので、業務を極めたい人にはもってこいの会社です。
私も実際に転職して感じたのが「仕様変更もスケジュール変更も無い仕事って本当に最高!」ってことです。
やっぱりメーカー系だと、お客様に言われたい放題で、結局仕様もスケジュールもごり押しされちゃうんですよね。そういう部分と比較するとユーザー系SIerは良いですね。
ユーザー系SIerの弱みは?
先ほどはユーザー系SIerの強みを紹介しましたが、もちろん弱みもあります。
そんなユーザー系SIerの弱みは、
「幅広い開発スキルを身に着けにくいことです」
先ほど申し上げた通り、ユーザー系SIerは、ずっとひとつのことに取り組むため、自分が担当する業務のスペシャリストになれると先ほど紹介しました。
ただその反面、自分が担当した業務以外の知識はほぼ身につきません。
実際、ほぼ全員がずっと同じ業務を続けているため、その業務を担当する限り他の人が追随できないくらい凄いですが、他の業務だとからっきしな人が非常に多いです。
例えばアプリケーションならそのアプリケーションのみに特化。他のアプリを作ってもらおうと思っても、全く作れないこともザラです。
更にネットワークだったら、ネットワークしかできない。インフラ基盤だったら、インフラ基盤しかできない人も本当に多いのです。
パソコンとパソコンをLANケーブルで直結すれば、ファイルの共有が出来ると思っていた時はびっくりしましたよ(笑)。
なのでもしあなたが幅広く技術を身に着けたい場合は、ユーザー系SIerはおすすめできないです。
また、ユーザー系Sierのもう一つの弱みとすると、
「年収が低い点です」
ユーザー系SIerの仕事は、ほぼ全て親会社からの発注となります。そのためある程度決まった額でしか発注してもらえず、利益はマイナスにはならないが、極端にプラスにもならないのです。
つまり会社の利益は変動しない代わりに、ほとんど増えもしないのです。
その結果として、社員に対して給料として反映する額も毎年変化しないのです。まあ会社の利益が増えないのに、社員の給料を増やすことはできないですからね。
そのため年収が低いと言われています。
実際、銀行の子会社であるユーザー系SIerだと、30代でも大体年収が500万円行かないことろばかりです。私のようなメーカー系SEだと30代でも600万円~800万円くらいは行くんですけどね。
私も転職したら、年収が600万円から500万円まで下がりました。流石に年収が下がるのは痛いですが、私は年収よりも仕事の大変さを重視するのでそこまで気になりませんでした。
ユーザー系IT企業の一覧を紹介
ここまでユーザー系SIerとは、ユーザ企業の情報システム部門だと紹介しました。
でも実際にどんな企業が、ユーザー系IT企業(SIer)なのかは分かりませんよね。ということで、どんな会社があるのか一例を紹介します。以下の企業が、ユーザー系IT企業の覧です。
- 三菱UFJインフォメーションテクノロジー
- 野村総合研究所
- 住友林業情報システム
- 東京ガスiネット
- ドコモ・システムズ
- フジミック
- 住友化学システムサービス
- 富士フイルムICTソリューションズ
- ヤマトシステム開発
- JALインフォテック
う~ん改めて見てみてると、どこも有名どころとなりますよね。
特に野村総合研究所なんて、超絶一流のユーザー系IT企業となります。なんてったって、平均年収が1000万越えですからね。こんな企業だったら、私も今から入社したいくらいですw
ちなみにですが、上記で紹介した以外にもユーザー系IT企業はたくさんあります。私は仕事柄詳しいのが金融ですが、その他の業種にもユーザー系IT企業はあるので、そこは間違えないでください。
余談ですが金融業界、特に銀行は必ずユーザー系IT企業を持っております。大体〇〇コンピューターシステムサービスという名前の会社は、銀行のシステム子会社、つまりユーザー系IT企業となります。
ある程度有名な銀行ならば、どこでも持っておりますので、興味がございましたら見てみてください。
2019年度のユーザー系SIerランキング
ここまで読むと、気になるのがどのユーザー系SIerが人気があるのか?ということ。
実際にどこが人気があるのか、やっぱり気になっちゃいますよね。ということで今回は参考までに、
「2019年卒の新卒就職人気企業ランキングを紹介します!」
就活生たちが企業研究した結果、ここで働きたいと思った企業のランキングです。ですのでちょっと偏った部分もありますが、そこも考慮した上でご覧ください。
金融系のユーザー系SIerランキング
金融系のユーザー系SIerのランキングは以下の通りです。
- 1位:損保ジャパン日本興亜システムズ
- 2位:三菱UFJインフォメーションテクノロジー
- 3位:ニッセイ情報テクノロジー
自分で書いていて、こちらはうーん本当かな?って感じですね。
これらはそこそこ年収の高いユーザー系SIerとなりますが、私の所管としてはまあ可もなく、不可も無くって感じですね。
これを見る限り、そこまでおすすめ出来ない感じなので、ユーザー系SIerに入るならば、金融は避けた方が良い気がしますね。
結構激務でブラックなところも多いですしね(ボソッ)。
商社系のユーザー系Sierランキング
商社系のユーザー系SIerのランキングは、以下の通りです。
- 1位:伊藤忠テクノソリューションズ
- 2位:SCSK
- 3位:日本タタ・ココサルタンシー・サービシズ
う~ん、凄い!
こちらは有名どころばかりですね。この業界で働いている限り、どこかで一度は聞いたことがあるような企業ばかりです。
特に伊藤忠なんて言ったら、年収も1000万近く行くし、誰もが入りたいユーザー系SIerとなります。メーカー系SEの私でも、入れるならば入ってみたいですよw
ちなみに商社系のユーザー系IT企業は、全体的に年収が高めなのでねらい目ですよ^^
まあその分、ちょっと忙しいですが(笑)。
製造系のユーザー系Sierランキング
製造系のユーザー系SIerのランキングは以下の通りです。
- 1位:新日鉄住金ソリューションズ
- 2位:トヨタコミュニケーションシステム
- 3位:ソニーグローバルソリューションズ
う~ん、こちらもうなってしまうくらい、有名どころばかりですね。
確か新日鉄住金ソリューションズなんて、年収が凄かったはずです。確か20代で年収700万円後半までもらえるんですよね。年収が高くて有名なメーカー系SEの私でも完全敗北ですよ。
実際に製造関連のユーザー系SIerって、年収も高いし、ホワイトだしで文句なしです。なのでもし狙えるなら狙って方が良いですよ。
その他のユーザー系Sierランキング
その他のユーザー系SIerのランキングは以下の通りです。
- 1位:電通国際情報サービス
- 2位:ジェイアール東日本情報システム
- 3位:ANAシステムズ
う~ん、こちらも有名どころが勢ぞろいです。
その他と言っても、色々な業種を含むので一概には言えませんが、やはり良い企業が上位を占めますね。3位のANAシステムズなんて、もうウハウハです。こちらも年収が高く、20代で700万円近くもらえたはずですので。
ここら辺のユーザー系SIerなら選んでも良いかもですね。
ユーザー系Sierがホワイトと呼ばれる理由
ユーザー系Sierはホワイトだと聞いたことがある人もいると思います。
ここであなたに質問ですが、それは何故だと思いますか?実はちゃんとした理由があるのです。ということで、ここではユーザー系SIerがホワイトだといわれる理由について説明します。
まず前提ですが、ユーザー系SIerもSEであることには変わりありません。
そのため勿論、納期も厳しいし、障害発生時はかなり大変になります。そういう部分は他のSEと変わらないと覚えておいてください。
それではそんな条件なのに、ユーザー系SIerがホワイトと呼ばれる理由はなんでしょうか?
「実は残業や離職率が少ないためです」
ユーザー系SIerは子会社として、親会社のシステム開発をするのが仕事です。
しかし現実は、親会社と子会社という関係もあり、親会社は子会社に結構ひいきをして甘めな仕事ばかり渡しています。その結果ユーザー系SIerは、無茶なスケジュールの仕事は発生せず、無理な仕様変更も発生しづらく、落ち着いて仕事ができる環境になるのです。
実際子会社へのシステム開発費用は、親会社が本業で稼いだ費用を使います。そのため追加費用がでるような仕様変更は極力控えるのですよね。そうすることによって、残業をさせずなるべくお金をかけないようにしてシステムを開発するのです。
このように、計画的に仕事ができ、残業が少ないところから、働きやすい職場、つまりホワイト企業というイメージが定着しているのがユーザー系SIerなのです。
私もユーザー系SIerに転職して驚いたのが「こんなスケジュールで良いの?」ってくらいゆるゆるのスケジュールなんですよ。しかもどの案件も。なのでメーカー系から転職してきたSEにとってはめっちゃ楽ですよ。
また、ユーザ系のSEは他のSEに比べて
「離職率が低いという点が目立ちます」
やっぱり無理な仕事をさせないし、他のSEと比べて比較的に仕事が楽なので離職率が低いんですよ。私もユーザー系SIerに転職して、こんなにも離職率が低い会社は初めて見たとびっくりしたくらいですからね。
10年いて9割も残るなんて、すっごいですよ。
あとユーザー系SIerはSEなのに、休みも比較的多いです。万が一休日出勤になってもちゃんと代休を取れるところが多く、労働環境が非常に良いのです。
メーカー系は休日出勤も普通だし、夜間呼び出しもあるしで天と地の差がありますよね…。
ユーザー系SIerに転職する方法は?
ここまで話を聞くと「ユーザー系SIerに転職したい」と思う方も多いはずです。
確かにユーザー系SIerは給料はちょっと低いですが、その業務内容は魅力的です。納期の変更はなく、決まった仕事を定期的に行うだけ。更には自分が担当している業務のエキスパートになれる。
そんなSEになってみたいと思うのは当然ですよね。じゃあ実際に転職は可能かと言うと、
「実はユーザー系SIerに転職することは可能です!」
基本的にユーザー系SIerは、普通のSEをしていればそれだけでスキルなどは満たされます。また年齢も20代~30代くらいならば、普通に転職は可能です。
実際に中小企業や零細企業のSEも、普通にユーザー系SIerに転職していましたからね。ですのでもしあなたがユーザー系SIerに転職したいのでしたら、今すぐ転職サイトに登録して転職活動を始めてください。
「でも今は忙しいから来月に登録すれば良いや」
とか言わないでくださいね。
実はユーザー系SIerに転職するには、早めに転職サイトに登録する必要があるのです。実はユーザー系SIerって、1年に1回しか募集しない会社が多いのです。そのため、来月から登録なんて言っていると、いつの間にか転職が来年になってしまうのです。
実は転職は、年齢を重ねれば重ねるほど不利になるので、出来るだけ早く転職するのが鉄則なのです。
だから思いついた今のうちに転職サイトに登録して、ユーザー系SIerがいつ中途採用を募集するのかを確認しておくべきなのです。
そして今すぐ登録できないようでは、転職なんてまず成功しません。私も私の知り合いもですが、ユーザー系SIerに転職したときはとにかくすぐ転職サイトに登録しました。そして1週間に1度くらい確認して、募集が始まったら即応募して転職したのです。
なので今すぐ登録すべきなのです。
ちなみに転職サイトは登録料が無料で、5分で登録は完了します。なので思い立った今こそとりあえず登録してみてください。
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まとめ
いかがでしたでしょうか?今回はユーザー系SIerについて紹介しました。それでは今回のポイントをまとめます。
- ユーザー系SIerとは各企業の情報システム部門が独立した子会社
- 強みは急なスケジュール変更もなく無理なく仕事ができること
- 弱みは幅広い開発スキルを身に着けにくいことと低い給料
- 金融、製造、商社など様々な業種の会社がある
- 残業や離職率が少ないのでホワイト企業といわれることが多い
- ユーザー系SIerに転職したいなら今すぐ転職サイトに登録する必要がある
となります。
最後に私からひと言、
「ユーザー系SIerに転職したい人は今すぐ転職サイトに登録してください」
ユーザー系SIerは年収はメーカー系に比べて少々少ないです。
しかしその分、本当にホワイトと言われるだけだって、無理のないスケジュールで残業はほとんどありません。はっきり言って時給の面だったらメーカー系を遥かに上回るくらいもらっていますね。
なので年収は下がっても良いからと、メーカー系からユーザー系に転職する人は非常に多いです。私もその一人でしたので。
なのでもしあなたがユーザー系SIerに転職したいと考えるのでしたら、今すぐ転職サイトに登録して転職をしましょう。
「でも私がユーザー系SIerに受かるとは思えない」
とか言わないでくださいね。
実際、ユーザー系SIerって普通のSE会社に比べて転職するのが難しいところもあります。しかしあなたが今しているSE業務の実績やスキルをちゃんと伝えられれば、まず受かるのもユーザー系SIerなのです。
実際に5人ほどの零細企業で、30代高卒の人でも、どんなことをやっていたかを語ってユーザー系SIerに転職できた人もいるくらいですからね。
「そしてそれくらい行動できないとこれから先何もできませんよ?」
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それくらいやらないと転職は出来ないですが、それさえやれば転職できるのです。
1度しかない人生、後悔だけはしたくないですよね。
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